第3章 コンプライアンスのポイント
少額短期保険募集人試験は、○×問題の出題が多いですが、語句選択問題も出題されます。
ここでは、第3章 コンプライアンスについて、出題頻度が高いポイントを記載しています。
下記の文章は出題頻度が高いので、赤字分を中心に、よく覚えておきましょう。コンプライアンスは出題頻度が高いので、少し分量が多いですが、どれも重要です。
少額短期保険募集人の基本的な役割は、少額短期保険業者のために保険契約締結の代理または媒介を行い、さまざまな保険商品をお客様に販売することであり、お客様と少額短期保険業者のパイプ役となり、お客様をさまざまな危険から守るために最適な保険の提案を行い、契約を締結するまたは契約の締結に尽力することは、最も重要な仕事のひとつです。 また、万一災害や事故、疾病等が発生した場合は、お客様に対して、迅速かつ円満な解決を援助するなど広範なコンサルティング活動が求められています。
少額短期保険業者の委託を受けた少額短期保険募集人が行う業務は、相互の権利・義務などとともに、少額短期保険業者との間で締結された委託契約書に記載されています。少額短期保険募集人の主な業務の中には、保険契約の締結(代理の場合)に関する業務のほか、保険期間を通じてのサービスである保険契約の維持・管理や保険事故発生時の保険契約者等からの事故報告の受付などがあります。
少額短期保険募集人には、保険の販売活動を行ううえで守らなければならないさまざまな法律があります。その最も基本となる法律が保険業法です。この法律は、保険業の公共性にかんがみ、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営および保険募集の公正を確保することにより、 保険契約者等の保護を図り、もって国民生活の安定および国民経済の健全な発展に資することを目的としています。
少額短期保険募集人は、事業活動に伴い事業者が被る損害をてん補する保険商品を販売する場合などを除いて、保険契約の販売・勧誘時に保険契約者等に対して、重要事項説明書(契約概要・注意喚起情報)を必ず交付し、書面の内容を口頭で説明しなければなりません。重要事項の説明には十分に時間をかけ、保険契約者等が書面の内容を理解したか確認したうえで契約を締結する必要があります。なお、電話・郵便・インターネット等の非対面方式による情報提供や説明を行う場合も、上記と同程度の情報提供や説明が必要です。
少額短期保険募集人は、保険募集の際、保険契約者に対して、「少額短期保険業者の経営が破綻した場合、保険契約者保護機構の行う資金援助等の措置がないこと」、「少額短期保険が保険契約者保護機構の補償対象契約に該当しないこと」を記載した書面を交付し、説明を行い、書面を受領した旨の署名もしくは押印を得る必要があります。
クーリング・オフ制度は、個人契約で、保険期間が1年を超える保険契約を対象としていますが、申込者等が保険契約の申込みの撤回等を行う場合には、少額短期保険業者に対して書面(郵送)により通知する必要があります。なお、申込みの撤回等の期限は、「クーリング・オフ制度の説明書等を交付された日」または「申込みをした日」のいずれか遅い日から起算して8日以内となっています。
消費者契約法は、消費者に対して重要事項について事実と異なることを告げたり、不利益となる事実を故意に告げないなど、契約内容を誤認させた場合や、事業者の事務所から消費者を退去させないなど、消費者を困惑させる行為をして契約を締結した場合には、消費者はその契約を取り消すことができると規定しています。
少額短期保険商品は、金融サービスを利用する顧客の保護を図ることを目的とする金融商品販売法の対象となります。金融商品販売法では、金融商品販売業者等に、金融商品が持っているリスクなどの重要事項について、顧客への説明義務を課しています。また、金融商品販売業者等に該当する少額短期保険募集人は、勧誘方針を定め、公表しなければなりません。
金融商品販売法の規定により、顧客は、金融商品販売業者等が重要事項の説明義務を怠ったこと、または断定的判断の提供等を行ったことだけを立証すれば、金融商品販売業者等に対して、当該金融商品の販売等によって生じた元本欠損額を損害額として請求できます。
犯罪移転収益防止法は、金融機関等の特定事業者がマネー・ロンダリング等に利用されることを防止するための法律であり、生命保険契約の締結時や200万円を超える大口現金(小切手を含みます。)取引があったとき等には、本人確認が必要となります。本人確認を行った場合には、直ちに本人確認記録を作成し、取引終了日または契約終了日から7年間これを保存しなければなりません。
個人情報取扱事業者は、業務上必要な範囲で、かつ適正で公正な手段によって個人情報を取得しなければなりません。少額短期保険業者やその委託を受けた者は、アンケート等により見込客情報を入手し、保険商品等を勧める場合には、本人に利用目的を通知、公表、明示する必要があります。また、個人データの漏えい等防止のための安全管理措置として、個人情報が搭載されているパソコンにパスワード等を設定することや事務所等の施錠をしっかり行うことなどの対策を講じる必要があります。
保険契約者または被保険者には、保険契約締結の際、少額短期保険業者が求める告知事項について、定められた書面で正確に事実を申告する告知義務が課されています。保険契約者または被保険者が故意または重大な過失によってこれに違反した場合には、少額短期保険業者は、保険契約を解除することができます。
少額短期保険募集人は、保険契約者等から保険事故または給付事由の発生の報告を受けた場合は、その内容等を確認し、保険金が迅速に支払われるよう保険金請求手続きについて保険契約者等に協力し助言しなければなりません。また、少額短期保険業者は、事故発生の報告を受けて各種の調査を行い、これをもとに保険金支払いの有無・支払額を決定します。