犯罪収益移転防止法の取引時確認(場面・確認事項・記録の7年)

保険がマネー・ローンダリングやテロ資金の供与に使われないよう、少額短期保険業者も「特定事業者」として取引時確認を行います。

問題集での出題は1問ですが、数字(200万円・7年)を入れ替えた正誤問題が作りやすい論点です。本人確認法に代わって2008年に全面施行された法律で、確認の名前は「本人確認」ではなく「取引時確認」です。

取引時確認が必要な2つの場面

1つは特定取引で、生命保険契約の締結がこれにあたり、契約者の変更や解約のときなども含みます。もう1つは厳格な顧客管理が必要な取引で、なりすましが疑われる場合、以前の確認で偽っていた疑いがある場合、特定の国(イラン・北朝鮮)に住む人との取引、外国で重要な公的地位にある人との取引などです。

一度取引時確認をした顧客は、確認済みであることを確かめれば、次からの確認は不要です。ただし、偽っている疑いがあれば改めて確認します。

何を確認するか

確認するのは、本人特定事項、取引の目的、職業(法人は事業の内容)、法人の場合は実質的支配者です。個人の本人特定事項は氏名・住所・生年月日で、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの公的な書類で確かめます。顔写真のない書類の場合は、別の書類や公共料金の領収書などもあわせて確認します。

法人は名称と本店などの所在地を登記事項証明書などで確認し、実際に取引を担当する人の本人特定事項も確かめます。代理人が手続きをする場合も、本人と代理人の両方を確認します。

厳格な顧客管理が必要な取引で、200万円を超える財産の移転を伴う場合は、これらに加えて資産と収入の状況も確認します。個人なら源泉徴収票や確定申告書、法人なら貸借対照表や損益計算書で確かめます。

記録と、確認に応じない顧客

確認記録は取引や契約が終わった日から7年、取引記録は取引の日から7年保存します。どちらも7年ですが、数え始める日が違います。

顧客が取引時確認に応じないあいだは、業者は取引に関する義務の履行を拒むことができます。

確認のしかたの違い

取引の目的や職業は、顧客の申告で確認します。法人の事業の内容は登記事項証明書や定款などで、法人の実質的支配者は代表者などの申告で確認します。

つまり、本人特定事項は公的な書類で、目的・職業などは申告で、資産と収入の状況は源泉徴収票や決算書類で、と確認の方法が分かれています。問題文で「すべて公的証明書で」「すべて申告で」のように一つにまとめた文があれば、どこが違うかを確かめましょう。

取り違えやすいところ

この論点の問題