消費者契約法と金融サービス提供法(取消しの3類型・説明義務・損害賠償)

2つの法律は、保険業法とは別の角度から顧客を守ります。試験では「取消し」と「無効」の区別がよく狙われます。

問題集では、この範囲の頁から3問出ています。消費者契約法は「契約をなかったことにできる場合」、金融サービス提供法は「説明しなかったときの賠償」と考えると区別できます。

消費者契約法: 取り消せる契約

保険契約も消費者契約で、業者だけでなく、業者の委託を受けた募集人も事業者にあたります。媒介だけを行う募集人も同じです。以下は、2023年6月1日に施行された改正後の内容です。

取消しの理由は3つの型に分かれます。誤認は、事実と違うことを告げる、将来が確実であるかのように断定する、不利益な事実を告げない、といった勧誘で誤解させた場合です。困惑は、帰ってほしいと言われても帰らない、帰りたいと言っても帰さない、退去しにくい場所に連れて行って勧誘する、不安をあおる、といった勧誘で困らせた場合です。もう一つは、必要な量を大きく超える過量契約です。

取消しと無効の違い

事業者の損害賠償責任を免除する条項など、消費者の利益を不当に害する契約の条項は無効です。勧誘の仕方に問題がある場合は「取消し」、契約の中身(条項)に問題がある場合は「無効」と分けると覚えやすくなります。

取消しは、消費者が取り消すという意思表示をすることで、契約が初めにさかのぼってなかったことになります。無効は、意思表示をしなくても初めから効力がありません。

金融サービス提供法: 説明義務と損害賠償

金融サービス提供法(金融サービスの提供に関する法律)は、2021年11月の改正で金融商品販売法から名前が変わりました。少額短期保険の重要事項は信用リスク、つまり業者が経営破綻するリスクで、保険金などが削られる可能性や、保護機構による資金援助がないことを説明します。募集人も金融商品販売業者等にあたります。

説明を怠ったり、断定的判断を示したりした場合、顧客は、そのことさえ立証できれば、元本欠損額を損害額として賠償を請求できます。また、勧誘方針を定めて公表し、変えたときも公表しなければなりません。

困惑の類型と、金融サービス仲介業

困惑には、帰らない・帰さないのほかにも、相談のための連絡を妨げる、好意の感情を不当に利用する、判断力の低下を不当に利用する、霊感などによる告知を使う、契約の前に義務の内容を実施してしまう、契約前の活動で生じた損失の補償を求める、といった勧誘が含まれます。

金融サービス提供法の改正では、1つの登録で銀行・証券・保険のすべての分野の商品を仲介できる「金融サービス仲介業」が設けられました。仲介業者の登録制度や勧誘方針の策定・公表も、この法律の柱の一つです。

取り違えやすいところ

この論点の問題