大数の法則・収支相等の原則・公平の原則の違い

保険のしくみを支える3つの原則は、説明文と名前を入れ替えた正誤問題の定番です。

問題集では、原則を扱う頁から4問出ています。3つは「保険料をどう決めるか」という一続きの考え方なので、順番に並べて理解すると取り違えにくくなります。

出発点は相互扶助

保険は、多くの人が保険料を出し合い、損失を受けた人がそこから保険金を受け取る相互扶助のしくみです。「一人は万人のために、万人は一人のために」という言葉で表されます。この助け合いを、感覚ではなく数字で成り立たせるための考え方が、3つの原則です。

3つの原則を「保険料が決まる順」に並べる

1つ目は大数の法則です。一人ひとりにとって事故は偶然でも、多くの人を集めて観察すると、全体としてどれくらいの損失が出るかを確率で見積もれます。これがなければ、必要な保険金の総額が分かりません。

2つ目は収支相等の原則です。見積もった保険金の総額と、集める保険料の総額が等しくなるように保険料を決めます。個々の契約で見れば、払った保険料より多くの保険金を受け取る人も、まったく受け取らない人もいますが、契約全体では収入と支出が釣り合います。

3つ目は公平の原則です。加入者の危険の度合いに応じて保険料に差をつけます。死亡率の高い高齢者と若い人、燃えやすい木造と鉄筋コンクリートの建物が同じ保険料では、不公平になるからです。

まとめると、全体の損失を予測し(大数の法則)、全体の収支を合わせ(収支相等の原則)、それを一人ひとりの危険度に応じて割り振る(公平の原則)という流れです。説明文を読んだら、「予測」「釣り合い」「危険度」のどの話かを探すと名前が決まります。

保険料の中身と保険料率

保険料は、保険金の支払いにあてる純保険料と、契約を結んだり管理したりする費用にあてる付加保険料からできています。

保険料の額は、保険金額に保険料率をかけて計算します。死亡率や損害の統計から保険料率を出し、危険度に応じた保険料を決めることが、公平の原則を具体化したものだといえます。

数字の例でたどる

説明のための例として、同じ条件の人が1,000人いて、統計から「1年に5人が10万円ずつの損失を受ける」と見込めるとします。これが大数の法則による予測です。必要な保険金の総額は50万円なので、1人あたり500円を集めれば収入と支出が釣り合います。これが収支相等の原則で、この500円が純保険料にあたり、実際にはこれに経費分の付加保険料が加わります。

ところが、1,000人の中に損失を受けやすい人と受けにくい人が混ざっていれば、全員500円では受けにくい人が損をします。そこで危険度に応じて保険料に差をつけるのが公平の原則です。3つは別々の決まりではなく、保険料を決める一連の手順の各段階だと分かります。

取り違えやすいところ

この論点の問題