問題集では、契約の成立と約款の頁から3問出ています。優先順位は丸暗記するより、「契約で決めたことがまず効くが、法律が譲らない部分がある」という考え方で押さえると崩れません。
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契約は申込みと承諾で成立する
保険契約は、保険契約者が申込みをし、保険業者がそれを承諾することで成立します。実務では、契約者が申込書に必要なことを書いて申し込み、業者が引き受けるかどうかを判断します。
募集人は申込みを受け付けたり業者に取り次いだりしますが、契約者に代わって申し込む立場ではありません。申込みの主体はあくまで契約者本人です。
約款は「大勢と同じ条件で結ぶ」ための契約条項
保険は同じ内容の契約を大勢と結ぶので、一つひとつ条件を交渉するのではなく、あらかじめ定型の契約条項を用意します。これが保険約款です。基本となるのが普通保険約款で、それを補ったり変えたりするのが特約です。特約には、必ず付くもの(自動付帯)と、希望して付けるもの(任意付帯)があります。
普通保険約款と特約の内容が食い違うときは、特約が優先します。特約は、基本の条件をわざわざ変えたり付け足したりするために付けるものだと考えると、優先される理由が分かります。
保険法との関係: 強行規定と任意規定
約款は契約の一部なので、契約自由の原則により、原則として保険法より優先されます。ただし、保険法の規定のうち、当事者がそれと違う内容を決めることを許さない強行規定には、約款でも反することができません。反対に、当事者の取り決めのほうが優先される規定は任意規定と呼ばれます。
約款に書かれていないことは保険法で判断し、保険法にも定めがないことは民法で判断します。全体としては、特約、普通保険約款、保険法、民法の順に見ていき、ただし保険法の強行規定だけは約款よりも強い、という形になっています。
試験で迷ったときは、「約款が勝つのは原則で、強行規定に反する部分だけは保険法が勝つ」という一文に戻ると判断できます。
問題文の読み方
この論点の誤りの文は、「いかなる場合も」「常に」のような言い切りの言葉を使って、例外をなくした形で作られることが多くあります。約款と保険法の関係には「強行規定に反しない限り」という例外の条件が付いているので、その条件を消した文は誤りだと判断できます。
反対に、「特約は普通保険約款に優先する」「約款に規定がない事項は保険法による」のように、条件の付け方がテキストの関係どおりなら正しい文です。言い切りの言葉が出てきたら、どの条件が消されているかを探すと判断が速くなります。
また、約款は契約者と業者の間の契約の一部なので、契約の自由が働く範囲では約款が先に使われる、という順番の理由も押さえておくと、優先順位を逆にした文に気付きやすくなります。
取り違えやすいところ
- 「いかなる場合も保険法が約款に優先する」とする文は誤りです。保険法が約款より優先されるのは、強行規定の部分だけです。
- 「普通保険約款が特約に優先する」とする文は誤りです。特約が優先します。
- 「保険契約は、募集人が契約者に代わって申し込み、業者が承諾して成立する」とする文は誤りです。申し込むのは契約者本人です。