問題集では、告知・通知を扱う頁と、契約締結時の告知の頁から合わせて5問出ています。告知義務と通知義務は「いつ」「何を」伝える義務かで区別します。
スポンサーリンク
告知義務は「契約の前」に事実を伝える義務
告知義務は、保険契約者や被保険者が、保険業者の求める事項について事実をありのままに伝える義務です。保険業者は告知の内容をもとに、引き受けるかどうかや条件を判断します。これを危険の選択といい、生命保険や傷害疾病定額保険の引受けで行います。
告知を求められる事項は、保険の種類で違います。生命保険なら職業や健康状態、過去の病気、家財の保険なら建物の所在地や用途、面積、入居している人数、ペット保険ならペットの種類や年齢、既往症などです。どれも、その保険で事故が起きやすいかどうかに関わる事柄です。
違反の要件と効果
告知義務違反として契約を解除できるのは、故意または重大な過失で事実を告げなかったり、事実と違うことを告げたりした場合です。わざと隠した場合だけでなく、重大な不注意で告げなかった場合も含まれます。
解除されると、解除の前に起きた事故についても保険金は支払われません。ただし、告げなかった事実と関係のない原因で起きた事故については、支払われる場合があります。
募集人は、告知書に事実を漏れなく書いてもらい、記入した内容を本人に確かめてもらうよう案内します。病歴などを書かないよう勧めることは、禁止行為にあたります。
通知義務は「契約の後」の変化を伝える義務
契約を結んだ後に、危険が大きくなるような変化が起きたとき、遅滞なく保険業者に知らせる義務が通知義務です。約款で定めている場合に生じます。故意や重大な過失で知らせなかったときは、業者は契約を解除でき、解除前の事故も原則として支払われません。
そのため募集人は、契約のときに、どのような変化があれば知らせる必要があるかを、契約者に前もって説明しておきます。
告知事項は保険の種類で変わる
傷害保険では職業や職務の内容、補償が重なる他の契約の有無を、医療保険では生年月日・性別・健康状態・他の契約を告知します。スマートフォンの修理費用の保険であれば、メーカーや機種、購入した日や金額などが告知事項になります。
業者が見ているリスクは、身体的なリスク(既往症や健康状態)、環境的なリスク(職業や仕事の内容)、道徳的なリスク(モラルリスク)に分けられます。生命保険や傷害疾病定額保険ではこの3つ、損害保険では主に道徳的なリスクに注意します。告知はこれらを判断する材料になります。
取り違えやすいところ
- 「重大な過失は含まれず、わざと告げなかった場合だけ解除できる」とする文は誤りです。要件は故意または重大な過失です。
- 通知義務を「保険料の追加を請求する手続き」とする文は誤りです。危険が増えたことを知らせる義務です。
- 「契約が成立した後は、危険が増しても知らせる必要はいっさいない」とする文は誤りです。約款で通知義務を定めている場合があります。